マニュアルが見つかってから2ヶ月くらい経ちますが、
DeskMini 110の後継機、DeskMini 310がようやく発売されました。
筆者もソッコーで手に入れてあれこれ遊びましたので、結果などを
ここに残しておきたいと思います。
まず、本記事の概要です。
- 仕様
- Core i7-8700kは動くか?
- 小ネタ集
- 買いたいあれこれ集
1.仕様
最初に、DeskMini 310はこんな感じの仕様です。
項目名 | 内容 |
---|---|
大きさ | 155mm x 80mm x 155mm(H×W×D) |
CPU | LGA1151 Coffee Lake-S世代の Core i7/5/3/Pentium/Celeron(TDP65Wまで) |
メモリ | DDR4 SO-DIMM×2 (最大32GB、2133/2400/2666MHz対応) |
チップセット | Intel H310 |
ストレージ | M.2×1(PCIe3.0×4/SATA両対応) 9.5mm厚 2.5インチSSD/HDD×2 microSDXCスロット×1 |
ネットワーク | 有線×1(Intel I219V)、 M.2×1(2230規格、WLAN用) |
フロントI/O | USB 3.0×2(うちType-C×1)、マイク、スピーカー |
リアI/O | USB 3.0×1、USB2.0×1、 HDMI(ver1.4)×1 、DisplayPort (ver1.2)×1, LAN×1、ACジャック(5.5×2.1mm) |
電源 | ACアダプター 120W(19V/6.32A) |
付属品 | マニュアル、DVD、SATAケーブル2本、 ゴム足、SSD/HDD固定ネジ、M.2固定ネジ |
サイズはDeskMini 110から変わりなく、I/Fもほぼ同じ。
相違点は3点、
- Coffee Lake-S対応となり、6コアCPUが使える
- M.2がSATAタイプも対応になった
- microSDXCスロットがついた
という感じです。CPUはさておき、M.2の選択肢が増えたのはうれしい仕様です。
間違えてSATAタイプのM.2 SSDを買って泣かなくてもよくなりました。
外観はまったく同じですが、内部も含めて一応見ていきましょう。
側面は今までどおりUSBポート増設可能 |
フロントパネルは樹脂のまま |
背面もまったく同じ |
ベースを引き出し |
マザーボード。VRMのヒートシンクが黒になった |
背面。CMOSコネクタの右下にあるのがmicroSDスロット |
microSDスロットに寄ってみたところ |
カードを入れるとこう |
マザーボード型番はH310M-STX。 単体販売はどうなる? |
microSDスロットはマザーボード裏にあり、分解が必須です。
さらにボードを外さずに入れ替えするのは至難の業ですね。
※この状態でも挿入は簡単ですが、
引っこ抜くにはテープでmicroSDを引き抜いたりする必要があります。
ベース部分とマザーボードの間から。 ベース部分に交換用の穴は空いてないので 扱いが大変 |
2.Core i7-8700kは動くか?
先にも書きましたが、DeskMini 310はDeskMini 110と違ってTDP65Wより上のCPUはサポート一覧に載っていません。
一番上のCPUはi7-8700(6コア、TDP65W) |
これは消費電力や発熱が理由なんだと思いますが、
じゃあ動かないかというとそうでもなく、一応動きます。この通り。
普通に起動します |
試していませんが、限定モデルの i7-8086kも動くでしょう。
とはいえ、以下の問題があります。
①消費電力
この状態で、i7-8700kにベンチマークで負荷をかけると
システムの消費電力が100Wを超えることがあります。
システム構成によっては、もっと行くことも考えられます。
そうなると、標準の120W ACアダプターでは心もとないので
より大出力のアダプターに交換した方が安心でしょう。
一例としてはこんな感じ。
筆者も同じものを買いましたが、別にこれでなくとも
19V/9.5Aで、プラグが5.5×2.1mmのタイプなら他でも大丈夫だと思います。
もちろん保証はできません。
②熱
当然の話ですが、いくら定格で動くからといっても発熱が厳しいです。
CPUを殻割りしたり、CPUクーラーをある程度のものに交換し
ファンの回転数も上げていかないと不安です。
試しに手元で殻割り済みのi7-8700kを、NoctuaのNH-L9i+25mm厚ファンで
動かし、UEFI設定でファンを全開にした際はアイドルで30後半~40℃台、
ベンチマーク中で50~60℃台という感じでした(室温27℃)。
あくまで参考程度ですが、冬だけならファンを静かにしてもなんとかなるかも。
③電源回路
そもそも、i7-8700kなどを動かす前提で作ってない可能性が
非常に高いので、高負荷が続いたら壊れるおそれもあります。
どうしても動かしたい人は自己責任でどうぞ。
3.小ネタ集
①無線関係
DeskMini には、純正オプションでアンテナとカードのセットがあります。
ただしアンテナがツノみたいに飛び出るので、持ち出したりするとき
目立ったり邪魔だったりしてしょうがない。
というわけで、フィルムタイプのアンテナを本体内側に貼り付けています。
本体後部裏側に貼り付け。 この位置だとフタが閉まらないのに気づいたので 後でずらしました |
アンテナ線は120mmあるので十分届きます |
買ったアンテナについては後述。
無線モジュールは、純正オプションだと802.11acが最大433Mbpsの
Intel Dual-Band Wireless-AC 3168なので、もっと速いものがいい人は
適当に買ってきましょう。これも詳しくは後述します。
②microSDXCスロット
説明書には特に説明がないですが、microSDXCスロットは起動デバイスにも
使うことができます。
Boot Optionでも選べる |
実際はUbuntuとか、VMWare ESXiとかを入れて起動できるようです。
筆者はUbuntuで試してみましたが、やり方が悪かったか
うまくいきませんでした。多分なんとかなるのでしょう。
なお、Windows 10でもデバイスとして認識しますが
なぜかドライブの中身は見えませんでした。
あとは使える容量ですが、128GBのカードを入れても認識したので
仮に512GBでも大丈夫でしょう。
追記:Samsung EVO PlusシリーズはWindowsでうまく認識しませんが、
ASRockに聞いてみたところどうもSamsung製はダメっぽいようです。
メーカーの動作確認デバイスリスト(PDF)に載ってた
東芝・サンディスクあたりが鉄板かもしれません。
③CPUクーラー
DeskMiniでは定番のNoctua・NH-L9iは今回も普通に使えます。
CPUファンのケーブリングは下の写真のようにメモリの間を通すと
なかなかいい感じに隠れます。
ファンは吹き付け、あとメモリ側に風を流していますが
背面側にした方がよかったかもしれない。
メモリの間に押し込む感じ |
寄ってみたところ |
4.買いたいあれこれ集
最後に、揃えたいあれこれをリストアップしておきます。①メイン
CPUやメモリ・SSDです。ここでは筆者が入れてるものを載せておきます。
CPU……i5-8500(6C6T、3GHz)
メモリ……DDR4-2666 8GB×2
SSD……Samsung 860EVO 500GB
このあたりはお好みですが、
CPUなら、4コアでもよければ安価なi3-8100がベストでしょう。
比較的安いし最高の組み合わせかもしれない。
メモリはDDR4-2666より速いものを買っても、オーバークロックも
XMPでの動作もできないので無意味です。
おとなしくDDR4-2666にしておきましょう。
SSDは、M.2がSATAも使えるようになったので
選択肢が増えました。2.5インチが不要なら組み付けも楽です。
CPUクーラー……Noctua NH-L9i。別にリテールクーラーでもいいけども
他にも、CRIORIG・C7 Cuが使えるらしく、今注文しているところです。
また追記予定。
2018/7/14追記:
C7 Cuが届いたので試してみました。
結論から言うと、ファンを外さないと装着ができません。
DeskMini 310+CRYORIG C7 Cuですが、取り付けはバックプレート使わず付属のワッシャーとボルトでいけるんだけどファンが高すぎてケースと干渉するので収納が困難です。やめた方が身のため pic.twitter.com/4e7N4WDVTU— のらねこ!C94 1日目 金曜 西 も05b (@ragemax) 2018年7月12日
装着については、付属のバックプレートを使わずに
ワッシャーとボルトで固定することでギリギリOKです。
マザー裏側に出っ張るボルトと、DeskMiniベース側の間には本当に余裕がないです。
でファンをどうするかですが、Noctuaのnf-a9x14という
14mm厚の薄いファンを乗せることで対応します。
NH-L9iにくっついてくるファンですね。
これをネジで固定することはできませんが、ヒートシンクに載せ
DeskMiniの背面側に寄せて収納すると、ずり落ちずに仮固定できます。
ファン付だと干渉するCRYORIG C7 Cu×DeskMini 310ですが、付属ファンを外してNoctuaの14mm厚な9cmファンを載せると高さがギリギリ合う上に、ネジで留めなくても天板とヒートシンクではさみこまれる形になりズレないことが分かった。 pic.twitter.com/ITgbRSa3Ja— のらねこ!C94 1日目 金曜 西 も05b (@ragemax) 2018年7月12日
これは、ファンと天板の間にクリアランスがないからというのもあります。
きちんとしてるわけじゃないですが、一応導入できる方法というやつです。
②小物類
あると便利なもの類と、上で紹介したものを。
・無線モジュール
最新のIntel Wireless-AC 9260なら、対応親機と組み合わせて
1.73Gbpsでリンクアップできます。
といっても、現状ではNetgear・R7800くらいしか選択肢がないらしいですが。
アンテナはこちら、極めて薄く貼り付けが楽です。
コネクタはMHF4タイプを選んでください。
・放熱シリコンシート
チップセット部分には特にヒートシンクがありません。
大して発熱しないんでいいんですが、心配なら載せておきたい。
25mm角の大きさで、厚みが5mm以下なら何でもいいと思います。
あとはM.2用にも冷却パーツを。あまり幅の広いヒートシンクは避けましょう。
・ネジ
分解するときは背面のネジを4つ外しますが、よく分解する私たちは
ハンドスクリューがあると便利です。
横置きにしたとき、
両方共インチネジでした。訂正しておわびします。
下はハンドスクリューが最後まで締まりませんが、問題はないです。
・USBポートの増設
DeskMini 110のころから定番のパーツです。
本当は純正オプションが一番いいんですが、日本で売ってません。
いいかげん売ってほしい。
いかがでしたでしょうか。
今回のDeskMini 310は安く4コアを入れてもよし、6コアで頑張らせるもよしと
DeskMini 110以上に魅力的になったんではないでしょうか。
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