AMDのサーバー向けCPU、EPYCで自作しよう!と決めた筆者、
先月はEPYC用マザーボードを手に入れましたが
つい先日、(まだ1つだけですが)ようやくCPUも入手しました。
今回はCPUを紹介しつつ、組み立て・仮?稼働までをお送りします。
[購入したCPU]
買ったCPUは、EPYC 7301(16コア・32スレッド、2.2GHz/ブースト2.7GHz)です。
米Amazonのマーケットプレイス業者(CE Showroom)から購入。
費用はおおむね12万円くらいでした。
貴重?なリテールパッケージ |
裏面 |
品番表示。なぜかブーストクロックが2.9GHz表記 |
説明書きに日本語はありません |
CPUのお出まし。パッケージは食べられません |
付属品は説明書とエンブレム。 エンブレムは6cmくらいあって大きい |
さすがに、Threadripper 1950Xよりは高かったです。
[EPYCシリーズ一覧]
組み立てのご紹介と行きたいところですが、先にEPYCのモデル一覧を紹介します。
以下はすべてデュアル構成向けのもので、シングル向けにも型番にPが入るモデルが
ありますが、ここでは割愛しました。価格は2018年5月現在のAmazon.comにおける相場です。
モデル名 | 仕様 | 価格 |
---|---|---|
EPYC 7251 | 8コア/16スレッド、2.1GHz/2.9GHz、TDP120W | 500ドル半ば~ |
EPYC 7281 | 16コア/32スレッド、2.1GHz/2.7GHz、TDP155W | 800ドル後半~ |
EPYC 7301 | 16コア/32スレッド、2.2GHz/2.7GHz、TDP155W | 900ドル前半~ |
EPYC 7351 | 16コア/32スレッド、2.4GHz/2.9GHz、TDP155W | 1200ドル前半~ |
EPYC 7401 | 24コア/48スレッド、2.0GHz/3.0GHz、TDP155W | 2000ドル前半~ |
EPYC 7451 | 24コア/48スレッド、2.3GHz/3.2GHz、TDP180W | 2600ドル~ |
EPYC 7501 | 32コア/64スレッド、2.0GHz/3.0GHz、TDP180W | 3700ドル~ |
EPYC 7551 | 32コア/64スレッド、2.0GHz/3.0GHz、TDP180W | 3700ドル~ |
EPYC 7601 | 32コア/64スレッド、2.2GHz/3.2GHz、TDP180W | 4600ドル~ |
(ポイント)
・EPYC 7281と7301の違い……定格クロック、L3キャッシュ(EPYC 7281……32MB、7301……64MB)
・EPYC 7501と7551の違い……ここでは書いてませんが、なぜか7551の方が全コア動作速度が遅い。
AMDの記載ミス?
EPYCの構造上、大きく8/16/24/32コアの4種類に分かれます。
もっとも安いEPYC 7251を選ぶと、比較的に安価にデュアルソケットマシンを組めますが
これだと2つ入れても16コアとなり、ちょっと物足りません。
かといって、24コア以上はいきなり価格がハネ上がります。
そうすると16コアの7281か7301を選びたいですが、価格差のわりに
L3キャッシュの容量が倍になるEPYC 7301が狙い目であるといえるでしょう。
筆者もそういう理由で選びました。お金がある人は32コアで行きましょう。
[組み立て]
EPYCはThreadripperと同じソケットなので、組み付けの手順は同じです。
CPUの取り付けにはT20のヘクスドライバーが必要ですが、CPUにはついていないので
もしEPYCを買う人は準備しておきましょう。
ご存じでない方もいるかもしれませんが、
デュアルマザーといっても別にCPU1つで動かすことはできます。
と言っても、2個いっぺんに揃えるのが普通だと思いますが……
CPUとマザーボード上のデバイスがどう接続されるか 分かるブロック図。 ほとんどのデバイスはCPU1側とつながっています |
上の図のように、一部のデバイス以外はCPU1だけあれば動くようになっています。
と言ってもCPUは2つ欲しいですよね。当然買う予定です。
本組みの前に、とりあえず仮組みで動作確認を行ないました。
メモリはXeon時代のDDR4-2133 32GB LRDIMMを4本使い回し。
ビデオカードとSSDは適当に用意しました。
CPUクーラーは、Amazonの欲しいものリストからENERMAX・LIQTECH TR4 280を
2つも送ってくださった方がいらっしゃったため、こちらを使わせていただくことにしました。
280mmラジエーターの簡易水冷クーラーです。
仮組みの様子 |
[トラブル]
自作にはトラブルがつきものですが、仮組みしたときに以下のような問題がありました。
・メモリが1つ認識しなかった……Kingston製が1つ故障っぽいので、修理に出しました
・UEFI設定から抜けるとブートしてこない……UEFIを最新に更新したら解決。
前者は日本で買った永久保証品なので、気楽?に修理へ。そのうち交換されるでしょう。
後者はハマってしまい、何回かCMOSクリアをするハメになりましたが
UEFIを1.0C→1.1(2018年5月現在の最新)に上げたら一発で改善しました。
[注意点]
標準だとビデオカードから画面が出ません。
Supermicro製のサーバー向けマザーボードにはIPMIが装備されており、
他のマシンからネットワーク経由で状態を確認したり電源を操作したりできます。
初期設定はこちらへの出力がデフォルトになっているので、
UEFIで設定を変更しないといけませんでした。
画面が出ないのにどうやって?という感じですが、IPMI経由で
他のマシンからUEFI画面を見ることができるため、これで設定します。
専用のLANポートにLANケーブルを挿しておき 他のマシンからアクセスする。 UEFI設定やOSインストールなどもできます |
または、IPMI用のアナログVGA接続がマザーボードのバックパネルにあるので
ディスプレイにアナログ端子があればこれから画面を出せます。
いまどきアナログなんて使ってねえよという人は、やはり他のマシンから
IPMIを使いましょう。
上記の設定をした後は、ビデオカードからでも画面が出せます。面倒ですね。
②このマザーボードにSATAデバイスをつなぐ場合、
基本的にはSFF-8087 - SATAのケーブルを使います。こんな感じのやつです。
あらかじめ準備しておいた |
サーバーやRAIDカードでは昔から使われてますね。
このマザーには2つコネクターがあり、それぞれ4本ずつ接続できます。
昔は数千円したと思ったのですが、今やAmazonで1000円台で買えます。恐ろしい。
[まとめ]
まださみしいケースの中身 |
まだ仮の運用みたいな感じなのでスペック的には全然ですが、
ちょっとずつ進めていければ……という感じです。
まずはもう1つCPUを買いたいところですね。
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