2018年2月8日木曜日

2種類の中華製4Kモバイルディスプレイを評価する



 昨年、15.6インチの4Kモバイルディスプレイを組み立てて使っておりました。
そんな中、世間……というか中国方面ではモバイルディスプレイ製品が
ドカドカと出てきており、4Kのモバイルディスプレイもいくつか見られるようになりました。

 今回はそんな中から15.6インチの製品と、13.3インチでしかもHDRに対応!した製品を
手に入れましたので紹介します。




①15.6インチ4Kモバイルディスプレイ



ベゼルも金属

背面右上に操作ボタンがある

 最初は15.6インチの方です。これはAmazonで売られていたものですが、
実際は中国・Magedok社の156Aというモデルのようです。
筆者の購入価格は約5万円でした。高い。Amazon発送なので仕方ないとします。
主なスペックは以下のようになっています。


項目内容
画面サイズ15.6インチ
解像度3,840×2,160
色域Adobe RGB 100%
視野角上下左右88°
画面処理ノングレア
サイズW365mm×H235mm×D95mm
VESA
マウント
対応(75mm×75mm)
重さ951g
画面入力miniHDMI(HDMI2.0)×1、Mini Displayport(DP1.2)×1、
USB Type-C(DP Alternate)×1
その他端子電源(外径3.5mm×内径1.3mm)、3.5mmステレオミニプラグ
スピーカーステレオ(背面)
付属品ACアダプター(12V/1.5A)、HDMI-MiniHDMIケーブル、
アルミ製スタンド、説明書


[液晶パネル]


 この液晶、スペック上はAdobe RGBカバー率100%をうたっています。
調べた所該当しそうなのは、シャープ製のIGZO液晶である LQ156D1JW31 でした。
さらにノングレアで反射も少なく、使いやすいパネルです。
最近はノート向け液晶でも広色域な製品が出てきていますが、
これもなかなかすごいですね。
実際はキャリブレーション等も必要でしょうが……

[外装]


 昨年組み立てたものは、外装がアクリルケースで丈夫にできている分
どうしても厚くなっていました。
しかし今回の中華モバイルディスプレイは、外装がCNC加工のアルミ合金で
できており厚みは9mm程度とかなり薄く仕上がっています。
画面サイズに対してベゼルも細くできていますね。
裏面だけはゴムが貼ってあります。

 もちろん75mm×75mmのVESAマウントにも対応しています。
背面にはステレオスピーカーもあるので、HDMIなど経由して音も出ます。
とりあえず鳴ります。

[各種端子]


右側面に集まっています


 DIY品と違うのはそれだけでなく、映像入力もminiHDMI(HDMI2.0)、MiniDP、
そしてUSB Type-Cを使ったDP Alternateと三系統になっています。
どれもHDCP2.2に対応しています。偉い。
スピーカーは背面にあり、さらにヘッドフォン出力もあります。

 電源はACアダプターを使います。商品には12V/1.5A、
プラグが外径3.5φ×内径1.3φのものが付属します。


小型のACアダプター。実際はこんなに電力使いません


 実際はACアダプターでなくても、輝度さえ下げてしまえば
以下のようなアダプターで動かすことができます。
もちろん保証はしません。






[付属品]


スタンドまでついてて充実してます


 先述のACアダプター、miniHDMI-HDMIケーブル、VESAマウント用ねじ、
可動域のなかなか広いアルミ製スタンド、説明書が付属します。
スタンドはかなり下げられますので、実用時は便利です。


[設定など]


OSDは日本語もあります


 入力切替や明るさ・コントラストなどは背面ボタンから設定を行なえます。
OSDは多言語対応で日本語も対応、表記も自然です。
RGB3色個別調整、ブルーライト防止の項目すらあり、意外と充実しています。


[使用感など]

・発色は大変鮮やかです。
・応答速度は普通のディスプレイに比べるとちょっと遅いですが、
アニメとか動画を見る際に気になることは少ないです。
・miniHDMI端子にはややクセがあり、変換アダプタを介して
Fire TV Stickなどを使おうと思っても画面が出ませんでした。
miniDPからHDMI2.0に変換するアクティブタイプのアダプターを使う時も、
HDMI-miniHDMIケーブルならOKでしたが、HDMIケーブル+miniHDMI変換だとダメでした。




②13.3インチ4K/HDR対応ディスプレイ






 2枚目は13.3インチの製品です。こちらはTaobaoの出品者から直接購入しました。
こちらは中国・Intehill(英特盒)社製の HS-133KP というモデルのようです。
購入にかかった総費用は3.5万円程度で、なかなか安くあがりました。

主なスペックは以下のようになっています。


項目内容
画面サイズ13.3インチ
解像度3,840×2,160
色域NTSC 72%
視野角上下左右89°
画面処理グレア
サイズW310mm×H200mm×D120mm
VESA
マウント
対応(75mm×75mm)
重さ764g
画面入力miniHDMI(HDMI2.0)×2、
Mini Displayport(DP1.2)×1
その他端子電源(外径3.5mm×内径1.3mm)、
3.5mmステレオミニプラグ、microUSB(電源用)
スピーカーステレオ(背面)
付属品ACアダプター(12V/3A)、HDMI-MiniHDMIケーブル、
miniHDMI(L型)-HDMIアダプター、アルミ製スタンド、
液晶保護フィルム


[液晶パネル]


 先程の15.6インチと違い、こちらはそれほど広色域というわけではありません。
こちらのパネルは液晶のスペックを見る限り、LGの LP133UD1-SPA1かSPA2のようです。
こちらはグレアパネルなので、画面が出てないとオタクの顔が映り込みます。
動画なんかはキレイに映りますが……
嫌な人はどうにかしてノングレアのフィルムを貼りましょう。

[外装]


赤のライン上にあるネジ穴がVESAマウント用



 これも外装はアルミ合金ですが、裏面も金属そのままです。
VESAマウントは75mm間隔ですが、ねじ穴は2つしかありません。
とりあえずこれで固定しろということでしょうか。強い。



[各種端子]


こちらは左側面です


 こちらはminiHDMI(HDMI2.0)が2系統もあります。miniDPは同じ。
USB Type-Cはありません。
スピーカーやヘッドフォン出力は、15.6インチのものと同様です。
電源はこちらもACアダプターですが、添付のものは12V/3Aとやや出力が大きいですね。
もちろんこんなに消費電力は高くないです。プラグサイズは15.6インチと同じ。


こんなに出力いらない……


また、microUSB端子から電源を取ることもできます。これだとスマートですね。
標準より明るさを落とさないといけませんが、ちょうどいいでしょう。


[付属品]


L型のminiHDMIアダプターがつくのは親切



 ACアダプター、miniHDMI-HDMIケーブル、VESAマウント用ねじは同様ですが、
miniHDMI(L型)-HDMIアダプターが一緒についてきます。
スタンドは本体裏のアクセントと同じ色のものがついてきます。今回は赤色でした。
説明書がついてくると商品ページにはありましたが、説明書がなく
代わりに書いてない液晶保護フィルムがついてきました。いい加減だ。


[設定など]


謎のHDR設定


 設定画面は15.6インチのものとかなりそっくりです。OSDの日本語対応も同じ。
ただ、こちらはなぜかRadeon系ビデオカード向けのFreeSync設定まであります。
環境がないので試せませんが、本当ならすごい。

そしてこのディスプレイ最大の特徴・HDR対応です。以下のような動作をします。
・HDMI経由で接続した際、[HDR MODE]に関わらずHDRが有効と認識されています。
・[HDR MODE]がオフ以外でHDR信号が機器からくる場合、
なんとなくHDRが効いてるような画になります。
・SDRな動画の場合、設定がAUTOの場合は特に画は変わりません。

 PS4 Proとか、UHD BDが再生できる環境なら試す価値はあります。

[使用感など]

・グレアなんで反射が気になります。ただ動画再生などしてる場合はあまり気になりません。
・応答速度は15.6インチのものと同じ感覚。
・こちらのminiHDMI端子はFire TV Stickも普通に画面が出て使えます。
miniDPからHDMI2.0への変換アダプターも、HDMIケーブル+miniHDMI変換と
普通に併用できました。

・おそらく、同等のものがAmazonでも購入できます。ただし中国から来るようです。
Amazon発送のものが出てくるまでは待つべきでしょう。






[まとめ]


 一昔前までは、モバイルディスプレイと言えばGe-chic(On-Lapブランド)一択でしょ!と
思っていましたが、その後ASUSが薄型15.6インチで追随。
そして中華ブランドがフルHD~WQHDまで多彩なラインナップを揃えるようになり、
完全に状況が変わっています。

 そんな中出てきた4Kディスプレイを紹介しましたが、どちらもなかなかの出来映えでした。
他にも世の中には17.3インチ、12.5インチなど他のラインナップもあります。
今回は紹介できませんが、また欲しくなるモデルが出たら買っていきたいですね。

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