Deskmini 110を買ってから、NUCは気にも留めていなかった筆者ですが
現行のNUCも使っておきたい・(あわよくば)冬コミのネタにもしたいという考えから
Kaby Lake世代のNUCも購入することにしました。
買ったのはCore i7搭載の、NUC7i7BNHです。
ここでは本機のかんたんな紹介と、買ってから行ったことをまとめてみました。
・NUC7i7BNHの紹介
本機はKaby Lake 世代のNUCです。
Skylake世代のNUCでは、Skullcanyonという4コアCPUのモデルもありましたが
Kaby Lake世代になって再びデュアルコアだけのラインナップになっています。
本機はその中で最もクロックの高い、Core i7-7567U(3.5GHz、Max 4GHz、TDP 28W)を
積んだものです。それ以外の特徴(メモリ最大32GB、ストレージ3系統(M.2、2.5インチ、microSD)、Thunderbolt 3装備その他)は、各モデル共通です。
[購入元]
米Amazon.comから購入しました。総額約5.8万円で、国内の流通価格より数千円ほど安かった感じ。
以前書いた記事のとおり、Intel製NUCは海外からの購入品でも
日本国内で保証が受けられるため、保証の心配はありません。
合わせて以下のパーツを準備。
メモリ……PATRIOT製SO-DIMM(DDR4-2400、16GB×2)
ストレージ……Samsung 960 EVO(500GB)、850 EVO(500GB)、EVO Plus 256GB(microSDXC)
OSは別途準備しました。
[外観]
Skylake世代のNUCと大きさはほぼ変わりません。厚みが3mmほど増したくらいです。
他に変わったところは、
・電源ボタンが天板から正面に来た。
・mini DisplayPort端子がなくなり、代わりにThunderBolt 3端子が増えた。
・HDMIが2.0となった。
・SDカードスロットがなくなり、microSDスロットになった。
DisplayPortはなくなりましたが、ThunderBolt 3端子を使って
DP Altモードによる映像出力はできます。
また、HDMIも2.0になったおかげで、4kでも60Hzで表示できますね。
Intel SGXも設定できますので、
ドライブとソフトさえ準備すればUHD BDも観られるんじゃないかと思います。
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[内部]
Skylake世代と大きくは変化なし |
中身はKaby Lake世代になっても大きくは変わりませんね。
2.5インチストレージの搭載方法がSkylake世代から少し変わった程度で、
配置などはだいたい同じです。
ここでは関係ないですが、分解も実は簡単で
マザーボードはネジ2本外すだけで脱着できます。すげえ楽。
[付属品]
説明書、Core i7のエンブレム、またお約束通りVESAマウント用の鉄板が付きます。電源は変わらず、19V 65Wの小型なACアダプターです。
SkylakeモデルについてたACの写真ですが、 これと同じです |
[セットアップと使用感]
フタ(実際は底です)側にM.2 SSD放熱用のゴムがある |
とりあえずパーツを取り付け、早速使ってみるわけです。
簡単に所感を述べます。
1.熱い!
とにかく熱い。Skyllcanyonも熱かったですが、本機もクロックが高いせいか
非常にCPUが熱を持ちます。
ちょっと負荷をかけると80~90℃に到達するので、割と怖いです。壊れてはないけど。
NUC7i7BNH、なんも考えず使ってると簡単にCPU温度が90℃くらいいくので心臓に悪い。 pic.twitter.com/3KGqIDggIP— のらねこ! (@ragemax) 2017年9月5日
特に負荷のない状況なら、だいたい50℃前後で安定しています。
これでも熱い方だと思いますが。
2.速い!
熱いですが、クロックが高い分動作は快適です。
普段使うDeskmini 110のCore i7-7700kと同等にキビキビ動きます。
デュアルコアと言ってもナメられません。
ベンチマークは計測してませんが、この辺は冬コミがあればその時に、という感じです。
ということで、速いのはいいけど熱いのは何とかならんかということで
液体金属グリスを使えたら使ってみることにしました。
これは熱伝導性の非常にいい液体金属グリスなら、
多少ピーク時の温度を下げられるのではないか?という思惑です。
[液体金属グリスで冷却をどうにかする作戦]
ドイツ・Thermal Grizzly製 "Conductonaut" |
今回使ったのは、Thermal Grizzly製 の"Conductonaut"という液体金属グリス。
評判がいいようです。
とはいえ液体金属グリスはアルミを侵食するので、ヒートシンクがアルミだと
使えません。銅であってくれ……と祈りながら本体をバラします。
分解メチャクチャ簡単だったけど、こんな薄いファンであの爆熱CPU冷やすのは大変だろうな。 pic.twitter.com/fT4vP7rY3v— のらねこ! (@ragemax) 2017年9月6日
ヒートシンク取れた。リキプロ入れちゃいましょうかねえコレ。熱いもん。 pic.twitter.com/TaVlUYrG6V— のらねこ! (@ragemax) 2017年9月6日
ヒートシンクも取り外したところ、無事銅製のベースでした。これならOK。
液体金属グリスはなじみにくいため、ヒートシンクの接地面は
3000番くらいのヤスリで少しヤスっておきます。
CPU側はさすがにしませんでした。
しかしクーラーが薄いですね……厚みのない本体なので仕方ないんですが、
これでTDP28WのCPUを冷やそうってんだから無謀な話かもしれない。
ヒートシンクのダイ接地面を少しヤスリで削ってから、液体金属グリスを塗った。今回使ったのは Thermal Grizzly の Conductonaut pic.twitter.com/0cJMul7YAE— のらねこ! (@ragemax) 2017年9月6日
とはいえ、CPUに落っこちたりしてショートしたりすると困るため
耐熱・絶縁のためにカプトンテープを貼っておきます。
で、塗布。米粒よりすこし小さく出し、綿棒で押しつけるように広げます。カプトンテープで雑に一部を保護 pic.twitter.com/GqpVgThJEQ— のらねこ! (@ragemax) 2017年9月6日
ダイからはみ出さないよう、メッチャ注意深くやってます。
ダイにも塗ったりました pic.twitter.com/0ZKEMlIuF4— のらねこ! (@ragemax) 2017年9月6日
で、無事施工したら戻します。
・結果
結果を先に書くと、効果がありました。ちょっとだけど。
リキプロ使う前のCPUピーク時温度。89度でした。 pic.twitter.com/dII1Ji3s61— のらねこ! (@ragemax) 2017年9月6日
リキプロ施工後。クーラーが小さいので限界があるけど8度下がって81度。 pic.twitter.com/zQoQALKt73— のらねこ! (@ragemax) 2017年9月6日
ピーク時の温度はさすがに下がりました。まだ80℃くらい出るんですけども……
液体金属グリス自体は非常に効果があり、クーラーが立派なものだと
温度がもっと下がるんですが
NUCのように小さく薄いクーラーでは効果が出にくいのでしょう。
まあ、何もしないより圧倒的にマシなのでよしとしたい。
[まとめ]
速いですが、非常に熱い。そして熱対策にも限度があります。小型でも速くてナンボ!という人は覚悟して買う方がいいですし、
バランスよいモデルがいいなら、おそらくCore i5モデルの方がいいでしょう。
今後は何かネタがあったら追記していきたいと思います。
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