あっというまに9月です。筆者は2日目からいきなり有給を取って山奥に来ました。
山奥でモバイルNUCは楽しいですね。
そんなことはさておき、今年の6月くらいから出回りだしたサムスンの最新SSD・
SM961シリーズの256GBを手に入れましたのでレビューしたいと思います。
既にレビューはあちこちで見かけますが、おさらい的なところも含めます。
世間ではPlextor・M8Peシリーズが大人気ですが、
あの製品が霞んでしまうパフォーマンスといってよいでしょう。
[SM961シリーズとは?]
サムスンが2016年3月ごろに発表した最新のSSDです。
最初に出したNVMe SSDであるSM951・コンシューマー向けの950 PROを
第1世代と考えると、SM961は第2世代のNVMe SSDといえるのではないでしょうか。
(筆者が勝手に考えた話です
形状は今のところM.2 2280サイズのみ。容量は128・256・512GB、
そして1TBも加わりました。
実際のところ、1TB自体はPM951というSM951と同世代のシリーズで
既に実現していましたが、それを片面実装で実現したことがトピックといえます。
コントローラーは"Polaris"と名付けられた5コアの自社製。
気になる性能ですが、SM951と950 PROとの比較表を作りました。
インチキかと思えるくらいの性能向上 ※SM961のランダムライト4K最大値が間違っていました |
あることは一目瞭然でしょう。
もちろん、単純にこの性能が出るわけではありませんが。
なお、SM961の容量別に性能を表にするとこんな感じです。
128GB | 256GB | 512GB | 1TB | |
---|---|---|---|---|
型番 | MZVPW128HEGM | MZVPW256HEGL | MZVKW512HMJP | MZVKW1T0HMLH |
順次読み込み | 3,100MB/s | ← | 3,200MB/s | ← |
順次書き込み | 700MB/s | 1,400MB/s | 1,700MB/s | 1,800MB/s |
4K読み込み | 330,000IOPS | ← | ← | 450,000IOPS |
4K書き込み | 170,000IOPS | 280,000IOPS | 300,000IOPS | 400,000IOPS |
最大のトピックとして、全モデルで最大読み込み3,000MB/sを超えてきました。
PCIe3.0×4の帯域は最大4GB/sのため、もうI/Fの限界が見えてきたことになりますね。
書き込みも速くなっており、256GBの時点で950 PRO(512GB)に匹敵しています。
4Kの読み書きIOPSも格段に進歩してます。
[ベンチマーク]
で、実際のベンチマークはこんな感じです。CrystalDiskMarkで
8スレッドでの計測。計測環境はNUC6i7KYKです。
比較として、950 PRO(512GB)を載せておきます。
NVMe SSDも容量が増えるほど性能が上がるわけですが、
SM961は256GBの時点で950 PRO(512GB)にほとんど勝っています。
特に4Kクエリ=32書き込みが2倍以上の差ですね。
順次リードが公称ほど出ていないのは環境か、既にOSが入っている
環境だからという理由も考えられますが、十分高速です。
もちろん、この手のベンチが一般的な使用用途とあまり関係ないことは
承知の上ですが、512GBや更に高速な1TBの場合はどうなっちゃうんでしょうね。
[発熱]
山奥、涼しい休憩スペースでのSM961温度。 |
950 PRO。アイドル時点で既に差がついている |
NVMe SSDといえば爆熱というイメージが一般的です。
先代?のSM951や950 PROは実に熱く、発熱が増えると
サーマルスロットリングを起こして性能が落ちることで有名です。
ではSM961はどうなのか?性能のわりには低発熱です。
詳しい比較グラフはそのうち載せようと思いますが、
950 PROと比べるとベンチ前後での温度上昇がゆるやか。
上昇度合いが950 PRO1/2程度のケースもありました。
つまり高速・(比較的)低発熱と、冗談みたいなSSDなワケです。
特に高発熱に悩まされてきた、NUC6i7KYKユーザーにはうってつけでしょう。
[どこで買えるの?]
いいことづくめ的な印象のあるSM961ですが、
ここで現状最大の欠点を挙げるとすると『ブツがない』致命的な欠点です。
ここで現状最大の欠点を挙げるとすると『ブツがない』致命的な欠点です。
もしかしたら、9月以降出てくるKaby Lake搭載ノートなどに
向けられてるのかもしれません。
向けられてるのかもしれません。
じゃあどこで買うか?
海外では6月頃から以下のルートで出回りはじめましたが、今でも入手できる数は
限られており、安いところは在庫なし、買えるところは高値安定というありさまです。
(海外)
・Ramcity…オーストラリアの業者です。SM961は256~1TBまで扱っています。
最大の利点は価格。512GBは約2.7万、1TBも5万円台と、出始めとは思えない安さです。
ただし在庫はありません。2016年9月現在、再入荷予定は10月。
それもバックオーダーの数にはとても及びません。
筆者も当初注文していましたが、納期がズルズル延びるのでキャンセルしました。
・Paypalやebay…さすがに探すと出てきますが、値段は高め。どうしても欲しい方に。
相場はRamcityの倍程度と見ていいでしょう。
他にも扱っている業者は見つかると思いますが、筆者もちゃんと調べてないのでパス。
(国内)
まだ代理店扱いのブツは出てきていません。…多分。
その代わり、Amazonのマーケットプレイスで時々売られています。
値段は256GBで2万円~、512GBで3万円前半~と幅があります。
というか、コロコロ変わります。
[その他]
SM961は組み込み向けモデルのため、以下のような問題点(?)があります。
別に使えないわけじゃないのですが、一応アタマに入れておいた方がいいでしょう。
・Samsung Magician(サムスンのSSD管理ツール)が使えない。
・ファームウェアの更新手段がない。
前者はTRIMの手動実行、予備領域の設定、ファームウェアのチェックなどができる
ツールに非対応ってことです。
またSSDの場合、後者によって性能向上することもしばしばですが
組み込み向けモデルはそういうことがなかなかできません。
まあ速いからいいんだけど。
[結論…買いか?]
性能的には間違いなくマストバイ。
ただし、今すぐ欲しいとかでなければ待った方がいいでしょう。
950 PROのようなリテール向けモデルが出てくる事も十分考えられます。
とにかく今思うことは、潤沢に出てきてくれ…ということだけであります。
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