2016年3月26日土曜日

[モニターレビュー]ASUSのRT-AC87Uから新"ゲーミング"ルーター・RT-AC88Uに乗り換える



※はじめに


この記事のルーターは、
ASUS 無線LANゲーミングルーター 実感・体感レビューキャンペーン』に当選したため
無償でモニター提供を受けています。
そのため、多少宣伝めいた内容ととられても仕方ありません。
そういう前提でお読みいただけますようお願いいたします。



 ある日、自分も申し込みしたのを忘れてたキャンペーンの当選通知メールが来ました。
ちょうど出たばかりの最新ルーター、ASUS・RT-AC88Uのモニターです。
5GHz帯はついに最大2.167Gbps、2.4GHz帯も最大1000Mbpsで
通信可能と、大台に乗ってきた感のある無線ルーターです。
もともと以前のハイエンドモデル・RT-AC87Uを1年半ほど使っており
特段不満もありませんでしたが、最新ルータをレビューできるのはもうけものでした。

 今回は、RT-AC87Uとの違いを中心に見ていくことにします。

[外見]



天板。LED位置が87Uとは変わりこちら側に
また放熱目的か、スリットが天板上部にもできています

正面はフタ付USB3.0とLED/WiFiのオンオフスイッチ

 見た目はRT-AC87Uとかなりそっくりです。
ただし、若干ですが87Uに比べて大きめ。
(横約300ミリ、奥行き約190ミリ。87U比で横10ミリ、奥行き20ミリ増)
しかし、左右側面にアンテナ端子がひとつずつ備えてあるため
アンテナのことを考えると横幅は約90ミリ程度増えた、と考えた方がいいでしょう。

 そのため、本体の設置には場所をとりまくります。
単純にラックや机に平置きするより、可能なら壁に固定したほうがいいように思います。



 特に壁掛け用の器具はついてませんが、むりやりタイラップと網などで壁に固定しました。

 アンテナは赤が差し色で入り、いかにもゲーミング用と言う感じです。
ASUSのゲーミングマザーとイメージは同じですね。
LEDの色は青から白になり、目に刺さる感じは減りました。これはいい変更点。
気になる場合でも、いつものLEDオンオフスイッチで切ればOK。

 しかし、はっきりわかる87Uとの違いはLAN側ポートの数でしょう。
RT-AC88UはLAN側が8ポートと、民生用ルーターとしては破格の多さです。


なんと1-2ポートはリンクアグリゲーションにも対応。
使うかはともかく

 普通のルータだとLAN側は4ポートが多く、足りないので8ポート程度の
スイッチをぶら下げるという運用も多いかと思いますが
このルータならその心配が少なく、不要な機器削減につながるかもしれません。

 ACはRT-AC87Uと変わらず、6センチ四方の19V/2.37A品です。


ACの小ささは変わらず

[性能・機能面]


 次は、性能・機能面でRT-AC88Uと87Uを比較してみましょう。
RT-AC88U側は、2016/3/24にリリースされたばかりの
ベータ版ファームウェア(Ver.9.0.0.4.380.2697)が前提です。

機種RT-AC88URT-AC87U
CPU/
メモリ
Cortex-A9 2コア 1.4GHz
DDR3 512MB
Cortex-A9 2コア 1GHz
DDR3 256MB
無線2.167Gbps(5GHz、802.11ac)
1000Mbps(2.4GHz、802.11n)
1.7Gbps(5GHz、802.11ac)
600Mbps(2.4GHz、802.11n)
無線LAN
関連機能
WPS(無線接続補助)
802.1x対応(要RADIUSサーバー)
MU-MIMO対応(要対応子機)
ゲスト用SSID
WPS(無線接続補助)
802.1x対応(要RADIUSサーバー)
MU-MIMO対応(要対応子機)
ゲスト用SSID
有線LAN×8(10/100/1000)
※ポート1,2でリンクアグリゲーションにも対応
WAN×1 1Gbps
(WWAN2本に設定変更可)
LAN×4(10/100/1000)
WAN×1 1Gbps
(WWAN2本に設定変更可)
USB周りUSB3.0×1(フロント、カバー付き)
USB2.0×1(背面)
USBデータ通信デバイスが
使用可
USB3.0×1(フロント、カバー付き)
USB2.0×1(背面)
USBデータ通信デバイスが
使用可
共有USB-HDD共有(SMB)
DLNA/iTunesサーバー対応
TimeMachine対応
FTPサーバー
プリンタ共有
インターネット越しファイル共有
ネットワーク内PC共有フォルダへの
アクセス機能
USB-HDD共有(SMB)
DLNA/iTunesサーバー対応
TimeMachine対応
FTPサーバー
プリンタ共有
インターネット越しファイル共有
ネットワーク内PC共有フォルダへの
アクセス機能
VPNPPTPサーバー・クライアント
OpenVPNサーバー・クライアント
PPTPサーバー・クライアント
OpenVPNサーバー・クライアント
その他Webフィルタリング、
ペアレンタルコントロール
(トレンドマイクロ)
ルータのセキュリティ診断
クラウドストレージ(ASUS)同期
別の同型機とのファイル同期
スケジュールによる省エネ機能
(無線のみ)
Adaptive QoS(特定の通信を優先できる、プリセットモード有)


WTFast(ゲーマー向けVPN)
ブリッジモード

Webフィルタリング、
ペアレンタルコントロール
(トレンドマイクロ)
ルータのセキュリティ診断
クラウドストレージ(ASUS)同期
別の同型機とのファイル同期
スケジュールによる省エネ機能
(無線のみ)
Adaptive QoS(特定の通信を優先できる)





 RT-AC87Uと比べ、88UはCPUのクロックが上がり、メモリも倍増。
前述のとおり5GHz/2.4GHz帯ともに最大2.16Gbps/1Gbpsと高速化しました。
LANは8ポートで、1,2ポートはリンクアグリゲーションにも対応
民生用ルーターにしては高機能で、対応機器と使えば帯域に余裕ができますね。

 …という基礎性能の違いはありますが、ほとんどの機能は共通です。
そんな中で、RT-AC88Uはゲーミングルーターと銘打っているだけあり
ゲーマー向け機能が新規で増えています。
そのゲーマー向け機能であるWTFast対応は、
PCゲーマーなら既におなじみかもしれませんが
要するにサービスが持っているサーバーにVPNして
オンラインゲームでのレイテンシを下げようぜ!というもの。
特に海外サーバーへのレスポンスが悪い環境には効果あるのかも。

 とはいえ筆者の家では、もともとRT-AC87Uをタダの無線アクセスポイントとして
使っていましたので、88Uも同様にアクセスポイントとして使う予定です。
その場合、WTFastはアクセスポイントモードでは無効になるので
あまり意味がなかったりする…
他にもAi Protectionみたいなセキュリティ機能、ファイアーウォールなども
ほとんど無効ですが、まあ高機能な有線ルーターを持ってれば
そちらでやればいいだけですね。


筆者宅のおおまかなネットワーク環境

 ちなみに、88Uではブリッジモードが使えるようになりました。
ようするに無線がつながる中継機として使えるわけですね。
今までもメディアブリッジモードという似た機能はありましたが、
子機側にぶらさがる機器が有線接続に限られていました
何気にこっちのほうが目玉機能だと思うのは筆者だけでしょうか。

#とは言え、他社ルータなら前からあった機能の気はしますが…



ASUSルータおなじみの管理画面

[パフォーマンス]


 電源ONから使用可能まではちょっと長めで、5GHz帯のDFSも考えると
3~4分くらいの待ちが必要ですが、高機能な分これは仕方ないか。
管理GUIの画面遷移は変わらず、設定変更後の待ちもほぼ87Uと同等です。.

 肝心の無線スピードですが、正直これは筆者の使用環境だと大差なし。
87Uから入れ替えてもスピードの向上が見られるかは不透明ですが、
CPUやメモリの増強もあるため、複数機器での接続や
フィルタリング/ファイアーウォール使用時などのパフォーマンスは
向上する可能性は高そう。

 あと発熱ですが、天板のスリットが効いている?のか
87Uよりは少なめな感じがあります。
とはいえ、3月下旬の時期に評価しているので参考程度に。


[まとめ]


 筆者の環境は一般からしたら(ちょっと)特殊なので、
この高機能ルーターの性能を100%発揮できるかといわれれば疑問ですが
エントリー機から買い換えたい!』とか、2台買って高速無線ブリッジしたい!
8ポートに機器をまとめたい!』とか、
とにかくハイエンドモデルじゃなきゃイヤ!※』という人なら
まず候補に入れて損はないモデルと思います。

 逆に、今RT-AC87UやAC3200など、ハイエンドモデルを持っていて
特に不満がなければ
ムリして買い換える必要もなさそう…というのが正直なところか。

※海外では既にRT-AC5300というド級ルータもありますが、そのうち日本でも出るんだろうな。

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