2014年3月18日火曜日

「GJ部 りぴーと!でぃすく」は日本アニメBDに於ける新しい流れになるか?


















 思い切った値付けです。



 今まで日本のアニメBDというと、2話収録で5-7千円くらいが普通でした。
で、しばらく経つとBOXが1万円後半から数万円でドンと販売される。
正直言えばちと高い。

 そこに来て、最近は北米版を初めとした廉価な海外版ブルーレイが
手に入れやすくなり、私もこれまでにいくつか紹介してきました。
そんな中、アニメ「GJ部」が[BD1枚全話収録]という"割り切った"仕様の
廉価版BD-BOXとも言える仕様で発売されたわけです。
お値段はAmazonだとなんと7000円台!
北米版BDクラスの価格で日本のアニメBD-BOXが買える日が来るとは、
筆者ちっとも思ってませんでした。

 TV放映時、この作品は観ていませんでしたが、
一体どんなもんか?気になって予約。
たまたまAmazonから発売日一日前に届きました。
今回は趣向を変えて、この恐るべき?廉価版ソフトは一体どんな感じなのか
海外との比較も交えてお送りしたいと思います。



[なぜ安いのか?]

 普通の日本アニメBDというと、
  • 高ビットレートの映像・音声
  • 豊富な特典(特典映像、コメンタリーなどなど)
  • 豪華なおまけ
がお約束です。だからこそ高いお金を出す意味があるわけですが…
しかしこの「りぴーと!でぃすく」は何もない。特典も。オマケも。
本編だけという潔い仕様です。だから安い。

 そして映像。ビットレートが普通の半分。
普通だと平均30-40Mbps程度映像のビットレートがありますが
こいつは平均20Mbps程度です。BD1枚に12話入れるんですから当然です。
そのかわり、音声はリニアPCM(48kHz/24bit)で収録されてます。

ちなみに、1話あたりのデータ容量は4GB未満で
BSで30分のアニメを録画したとき位ですね。
普通の日本版だと、これの2倍くらいになるわけです。


[画質はどうなの?]


BDメニュー。実にシンプルな内容













 余談から入りますが、
BD1枚で1クール分全部収録、ってのは実はGJ部が最初ではないのです。
少なくともフランスでは、大手のコンテンツ配給会社である
KAZE(カゼ)が同じような構成でいくつか作品を出しています。
最初はたしか「Fate/Zero」だったと思います。
フランス版「ギルティクラウン」もその一つで、ビットレートを
落としたせいか、視聴中にかなりバンディングが目立つものでした。

 ですがこのGJ部、ただものではない。
結論から言うと「画質十分じゃん!」と判断します。
確かにビットレートの低さから、ノイズ感は普通より感じますが
それもなかなか抑えられてる感じがします。
よっぽど近くか、大画面で観ないと分かんないと思います。
また、バンディングについてはほとんど感じません。
これについては画作りや、エンコードに一因があるのかもしれません。



[で、海外ってどうなの?]

 ついでに海外のアニメBDについてちょっと触れてみます。
一番数の多い北米版の場合、1パッケージでBD2枚(9話+3話収録)が普通です。
特典はノンクレジットOP/EDだけとかも普通。
ヨーロッパも似たようなものですが、ドイツやスペインだと
1クール1パッケージって案外少なく、
1枚4話(スペイン版・進撃の巨人)や、1枚6話(ドイツ版・あの夏で待ってる)
など、案外1クール分を1回で売る作品は少ないです。

 台湾や韓国が一番日本に近いかも。特に韓国は、日本と中身まで同じ傾向にあります。



[廉価版は広まるか?]
 













通常版と廉価版、という二つの売り方が今後広まるか?
既に「AKIRA」とか「イヴの時間(オリジナル版)」とか、廉価版のBDは
いくつか売られていますが、今回のGJ部のような仕様まで削った作品ではないです。
そして、今回のような"割り切った仕様"のBD商法が広まるのかといわれれば、
正直未知数です。購買層であるオタク達が、割り切った仕様だけを求めるとは思えません。


 ただ、経済的な事情で通常版が買えない!でもパッケージは欲しい!という
層は絶対いるわけで、そういう向きに別パッケージを出すという方針は
間違ってはいないとも思います。

 今回のりぴーと!でぃすくがどれくらい売れるか?によるでしょうが、
販売元であるバップに続くところが出てくるかどうか、
今後もウォッチしていきたいと思います。




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