昨年は、モバイルNUCと言ってはあちこちにNUCを持ち出しておりました。
しかし色々あり、2017年の年始めということで新しいモバイルPCに乗り換えました。
ここで簡単に紹介したいと思います。はい、モバイル用PCです。
ZOTAC ZBOX MAGNUS EN1060というモデルです。
[買ったもの]
ZOTACのベアボーンである、ZBOX MAGNUS EN1060です。
幅・奥行きともに200mmちょっとという大きさながら、デスクトップ用の
4コアSkylake(i5-6400T)と、ビデオメモリ6GB版のGeforce GTX 1060を積んだマシンです。
すごい。といっても、上にはGTX1070とかGTX1080とか積んでるマシンもあります。
筆者は独AmazonからUK/欧州版を輸入、価格は総額で約11万円といったところです。
どうもEU圏のAmazonで在庫を共有していたようで、イギリスの倉庫から届きました。
大きさを500mlペットボトルと比較。実に小さい |
スペックを詳しく書くと、こんな調子になります。
型番 | ZBOX-EN1060-BE |
CPU | Core i5-6400T(4コア、LGA1151、 2.2GHz、最大2.8GHz) |
チップセット | Intel B150 |
メモリ | DDR4-2133 SO-DIMM(2スロット、最大32GB) |
GPU | NVIDIA Geforce GTX1060(6GBメモリ) MXM形状 |
ストレージ | M.2(PCIe3.0×4/SATA3両対応)×1、 SATA3 2.5インチHDD/SSD×1、SDカードリーダー |
ネットワーク | GbE×2(Realtek)、 無線+BT(Intel Dual-Band Wireless-AC 3165) |
I/F | DisplayPort(1.3)×2、HDMI(2.0)×2、 USB3.1 Gen2×2(ASMedia、うちType-C×1、Type-A×1)、 USB3.0×2、USB2.0×2、 ヘッドフォン、マイク、無線アンテナ |
本体サイズ(W×D×H) | 210mm x 203mm x 62.2mm |
電源 | ACアダプター(ミッキープラグ、19.5V/9.32A、180W) |
重さ | 約1.7kg |
付属品 | ACアダプター、UK・EU電源プラグ各×1、 マニュアル類、ドライバCD、ドライバ入りUSBフラッシュメモリ |
要するに縦横20センチ程度のマシンに、デスクトップ用SkylakeとGTX1060が載ってるという
滅茶苦茶にクールなベアボーンというわけです。
ベアボーンなので、あとはメモリ・SSD・OSがあればOKです。
ベアボーンなので、あとはメモリ・SSD・OSがあればOKです。
しかし、Skullcanyonと横幅がほとんど変わらない、すごいことですね。
重さが3倍くらいあったり、奥行きが2倍くらいあるのは目をつぶります。
[外観]
フロント。USB端子は両方ASMediaのコントローラー経由な USB3.1 Gen2 |
背面。なんとこのサイズで4画面出力できる |
真っ黒な筐体です。I/FはモバイルPCとは思えない充実ぶりです。
SkullcanyonみたいにThunderbolt 3のような最新ポートはありませんが、
十分なUSBポート、4画面出力、(Realtekだけど)デュアルLANです。
ちなみに、10万円以上するくせに筐体は結構プラスチックです。裏蓋すらプラスチック。
金属なのは側面と背面だけ。せこい。裏蓋くらい金属にしてくれ。
[内部]
Skullcanyonと同様、裏蓋外してアクセス |
Skullcanyonは尖ったマシンだったため、M.2×2と極端な構成でしたが
EN1060はもう少し普通で、背面のネジ2本を外して裏蓋を取ると
メモリスロットやM.2、2.5インチストレージを取り付け可能です。
ついでに、無線カードもSkullcanyonと違いM.2スロットに刺さっているため
必要であれば交換できます。
[筆者のやったこと]
とりあえず、買って筆者があれこれした内容を箇条書きしておきます。1.メモリ・ストレージ類の移植
Skullcanyonから、DDR4-3000の16GBモジュール×2、Samsung 960 Pro(512GB)、SanDisk Extreme Pro SDXC 512GBを移植。
新規にSamsung 850 EVO(500GB)を追加しました。
正直言うと、別にNVMe SSDでなくてもいいと思います。マシになったといっても発熱はありますし。
でも、何入れても熱いのは変わりません。だったら性能が優れたものを使いたいですよね。
2.無線カードの交換
標準のIntel Dual-Band Wireless-AC 3165は1×1、最大433Mbpsで悲しいためAmazonで Wireless-AC 8260(2×2)を買って交換しました。
もちろん普通に動作します。
EN1060の無線カード、1×1のWireless-AC 3165なので8260に交換します。 pic.twitter.com/g4HBESu2mR— のらねこ! (@ragemax) 2017年1月8日
さっさと交換 pic.twitter.com/pxnMt1bWay— のらねこ! (@ragemax) 2017年1月8日
3.CPUの交換(保証なくなります)
このEN1060、LGA1151のSkylakeをそのまま使っています。なのでやろうと思ったら交換できるわけですね。
先にご紹介したブログ様も普通に交換しておりましたので、そのまま参考にして
同じTDP35Wのi7-6700Tに交換しました。
分解方法も先のブログ記事に書いてあります。メッチャ詳しい。
途中で破ると保証が無効になるシールがありますが、
輸入品なのでもともと保証など関係なく、やりたい放題です。
EN1060バラした。グリス塗られすぎ……塗らなさすぎよりよっぽどマシだけど pic.twitter.com/YDshyMzxmo— のらねこ! (@ragemax) 2017年1月7日
ちょっとしょっぱいので交換します pic.twitter.com/ai1KyoNt26— のらねこ! (@ragemax) 2017年1月7日
実績のあるi7-6700Tに載せ替え pic.twitter.com/CSJSlTFaih— のらねこ! (@ragemax) 2017年1月7日
交換後、何もしなくても普通に起動しますし、UEFIでもちゃんと認識します。えらい。
[FAQ]
レビューもそこそこに、ありそうな質問とその回答。
とはいえ、まだ全然使ってないので回答がいい加減な面があります。
特に温度や騒音、消費電力はもっと高負荷かけて確かめたいところ。
Q1.ファンうるさくないの?
A1.通常使用では全くうるさくない。Skullcanyonより静かです。
また、UEFIでファン速度や、温度連動での速度設定もできます。
Q2.発熱厳しくない?
A2.通常使用なら全然問題ない。とりあえずゲームして確かめたいところです。
Q3.消費電力は?
A3.上記の構成でアイドル24W前後。最大負荷時はまだ測ってません……
Q4.電圧やメモリ・GPUのクロックを操作できるか?
A4.無理です。UEFIに項目がなく、メモリもDDR4-2133でしか動かせません。
Q5.USB3.1 Gen2のポートで映像出力できない?
A5.できません(Altモード未対応)
Q6.Intel HDとGTX1060の共存使用はできる?
A6.できます。UEFIで設定可能。
Q7.SDカードスロットはラッチタイプ?カード飛び出る?
A7.ラッチタイプではなく、カードも半分くらい飛び出ます。
カードがはみ出るEN1060のSDスロット。何とかならんかったか…… pic.twitter.com/h2FVTUNKaL— のらねこ! (@ragemax) 2017年1月8日
Q8.ACアダプターの大きさ、重さはどのくらい?
A8.
ZOTAC EN1060のACアダプター。(19.5V/9.23A)— のらねこ! (@ragemax) 2017年1月8日
UK・欧州版本体でもACにはアスクとPSEマークの表記がある。
長さは15センチ、重さは570グラム。みなさんのモバイルPCのはどうでしょう? pic.twitter.com/FjZMqlOJXT
さすがに180W級なので、デカいし重いです。
でも、500mlペットボトル1本分と考えると軽い気もする(軽くはない)
[購入ガイド]
実際にほしい場合、どこで買ったらいいか考えます。
※価格は2017年1月現在のものです。
[国内]
アスクの正規輸入品の場合、ベアボーン状態で14.5万くらい。
128GBのM.2 SATA SSD、1TB HDD、8GBメモリが載って15万くらいです。
値段だけみて買うなら後者です。
[海外]
筆者が独Amazonで購入した際は、Amazon発送で送料・税金込み11万程度でした。
この記事を書いているときは在庫がありませんが、買うなら独AmazonでAmazon扱いの在庫を
買うのがトータルで安くなるのでオススメだと思います。
提示額からVAT(付加価値税)のマイナスが大きく、最終価格が安かったのがドイツです。
日本にも送ってくれますし。
米Amazonでは、2017年1月現在でトータル11.85万円という感じ。在庫があればこちらでもいいかも。
[まとめ]
色々ありますけども、CPUが交換できるしモバイルには十分な性能。
重さもそこそこだし、筐体も小さいので
家でメインマシンにしてもいいし、外に気軽に持ち出してもいい感じではないでしょうか。
よい点:
- 小型ながらなかなか強力なGPUパワー、換装次第でより強力になるCPUパワー。
- 拡張性の高さ。4画面出力も可能。
- 十分静かなファン。
- HDMI2.0。
惜しい点:
- 当然だがデカいACアダプター。
- 4コアだが、標準ではやや心もとないCPU。(i5-6400T)
- カードのはみ出るSDスロット。書き込みが遅く、Extreme Pro 512GBでも40MB/sくらいが限界
- メモリ等設定の追い込めないチップセット。
- Realtek製GbE、ASMedia製USB3.1 Gen2。(実用には問題ない)
[2017/01/19 追記]
OSを入れたところ、動作がやたらめったら不安定だったので
いろいろ切り分けした結果、メモリスロット1が動作不良では…という結論にいたりました。
メモリ自体は問題ないので、スロットかスロットのはんだ付けがおかしいのでは……という
バクチ予想をもとに、現在業者に修理依頼中です。
戻ってきてまともに動くようになったら、そのへんの記事を書く予定。
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