2017年1月8日日曜日

2017年の始めに新しいモバイルPCを買った話(ZOTAC ZBOX MAGNUS EN1060のレビュー)



 昨年は、モバイルNUCと言ってはあちこちにNUCを持ち出しておりました。
しかし色々あり、2017年の年始めということで新しいモバイルPCに乗り換えました。
ここで簡単に紹介したいと思います。はい、モバイル用PCです。
ZOTAC ZBOX MAGNUS EN1060というモデルです。




[買ったもの]


 ZOTACのベアボーンである、ZBOX MAGNUS EN1060です。
幅・奥行きともに200mmちょっとという大きさながら、デスクトップ用の
4コアSkylake(i5-6400T)と、ビデオメモリ6GB版のGeforce GTX 1060を積んだマシンです。
すごい。といっても、上にはGTX1070とかGTX1080とか積んでるマシンもあります。

 筆者は独AmazonからUK/欧州版を輸入、価格は総額で約11万円といったところです。
どうもEU圏のAmazonで在庫を共有していたようで、イギリスの倉庫から届きました。


大きさを500mlペットボトルと比較。実に小さい

 スペックを詳しく書くと、こんな調子になります。


型番ZBOX-EN1060-BE
CPUCore i5-6400T(4コア、LGA1151、
2.2GHz、最大2.8GHz)
チップセットIntel B150
メモリDDR4-2133 SO-DIMM(2スロット、最大32GB)
GPUNVIDIA Geforce GTX1060(6GBメモリ) MXM形状
ストレージM.2(PCIe3.0×4/SATA3両対応)×1、
SATA3 2.5インチHDD/SSD×1、SDカードリーダー
ネットワークGbE×2(Realtek)、
無線+BT(Intel Dual-Band Wireless-AC 3165)
I/FDisplayPort(1.3)×2、HDMI(2.0)×2、
USB3.1 Gen2×2(ASMedia、うちType-C×1、Type-A×1)、
USB3.0×2、USB2.0×2、
ヘッドフォン、マイク、無線アンテナ
本体サイズ(W×D×H)210mm x 203mm x 62.2mm
電源ACアダプター(ミッキープラグ、19.5V/9.32A、180W)
重さ約1.7kg
付属品ACアダプター、UK・EU電源プラグ各×1、
マニュアル類、ドライバCD、ドライバ入りUSBフラッシュメモリ


 要するに縦横20センチ程度のマシンに、デスクトップ用SkylakeとGTX1060が載ってるという
滅茶苦茶にクールなベアボーンというわけです。
ベアボーンなので、あとはメモリ・SSD・OSがあればOKです。

 しかし、Skullcanyonと横幅がほとんど変わらない、すごいことですね。
重さが3倍くらいあったり、奥行きが2倍くらいあるのは目をつぶります。


[注意]
 実際のレビューですが、『自作とゲームと趣味の日々』様というブログの記事がものすごく詳しいです。
なので筆者は控えめにいきたいと思います。

[外観]


フロント。USB端子は両方ASMediaのコントローラー経由な
USB3.1 Gen2

背面。なんとこのサイズで4画面出力できる

 真っ黒な筐体です。I/FはモバイルPCとは思えない充実ぶりです。
SkullcanyonみたいにThunderbolt 3のような最新ポートはありませんが、
十分なUSBポート、4画面出力、(Realtekだけど)デュアルLANです。

ちなみに、10万円以上するくせに筐体は結構プラスチックです。裏蓋すらプラスチック。
金属なのは側面と背面だけ。せこい。裏蓋くらい金属にしてくれ。

[内部]


Skullcanyonと同様、裏蓋外してアクセス

 Skullcanyonは尖ったマシンだったため、M.2×2と極端な構成でしたが
EN1060はもう少し普通で、背面のネジ2本を外して裏蓋を取ると
メモリスロットやM.2、2.5インチストレージを取り付け可能です。

ついでに、無線カードもSkullcanyonと違いM.2スロットに刺さっているため
必要であれば交換できます。


[筆者のやったこと]

とりあえず、買って筆者があれこれした内容を箇条書きしておきます。

1.メモリ・ストレージ類の移植

Skullcanyonから、DDR4-3000の16GBモジュール×2、Samsung 960 Pro(512GB)、
SanDisk Extreme Pro SDXC 512GBを移植。
新規にSamsung 850 EVO(500GB)を追加しました。




 正直言うと、別にNVMe SSDでなくてもいいと思います。マシになったといっても発熱はありますし。
でも、何入れても熱いのは変わりません。だったら性能が優れたものを使いたいですよね。

2.無線カードの交換

標準のIntel Dual-Band Wireless-AC 3165は1×1、最大433Mbpsで悲しいため
Amazonで Wireless-AC 8260(2×2)を買って交換しました。
もちろん普通に動作します。








3.CPUの交換(保証なくなります)

このEN1060、LGA1151のSkylakeをそのまま使っています。
なのでやろうと思ったら交換できるわけですね。

 先にご紹介したブログ様も普通に交換しておりましたので、そのまま参考にして
同じTDP35Wのi7-6700Tに交換しました。
分解方法も先のブログ記事に書いてあります。メッチャ詳しい。
途中で破ると保証が無効になるシールがありますが、
輸入品なのでもともと保証など関係なく、やりたい放題です。






交換後、何もしなくても普通に起動しますし、UEFIでもちゃんと認識します。えらい。


[FAQ]


 レビューもそこそこに、ありそうな質問とその回答。
とはいえ、まだ全然使ってないので回答がいい加減な面があります。
特に温度や騒音、消費電力はもっと高負荷かけて確かめたいところ。

Q1.ファンうるさくないの?
A1.通常使用では全くうるさくない。Skullcanyonより静かです。
また、UEFIでファン速度や、温度連動での速度設定もできます。

Q2.発熱厳しくない?
A2.通常使用なら全然問題ない。とりあえずゲームして確かめたいところです。

Q3.消費電力は?
A3.上記の構成でアイドル24W前後。最大負荷時はまだ測ってません……

Q4.電圧やメモリ・GPUのクロックを操作できるか?
A4.無理です。UEFIに項目がなく、メモリもDDR4-2133でしか動かせません。

Q5.USB3.1 Gen2のポートで映像出力できない?
A5.できません(Altモード未対応)

Q6.Intel HDとGTX1060の共存使用はできる?
A6.できます。UEFIで設定可能。

Q7.SDカードスロットはラッチタイプ?カード飛び出る?
A7.ラッチタイプではなく、カードも半分くらい飛び出ます。


Q8.ACアダプターの大きさ、重さはどのくらい?
A8.


 さすがに180W級なので、デカいし重いです。
でも、500mlペットボトル1本分と考えると軽い気もする(軽くはない)


[購入ガイド]


 実際にほしい場合、どこで買ったらいいか考えます。
※価格は2017年1月現在のものです。

[国内]
 アスクの正規輸入品の場合、ベアボーン状態で14.5万くらい。
128GBのM.2 SATA SSD、1TB HDD、8GBメモリが載って15万くらいです。
値段だけみて買うなら後者です。

[海外]
 筆者が独Amazonで購入した際は、Amazon発送で送料・税金込み11万程度でした。
この記事を書いているときは在庫がありませんが、買うなら独AmazonでAmazon扱いの在庫を
買うのがトータルで安くなるのでオススメだと思います。
提示額からVAT(付加価値税)のマイナスが大きく、最終価格が安かったのがドイツです。
日本にも送ってくれますし。

 米Amazonでは、2017年1月現在でトータル11.85万円という感じ。在庫があればこちらでもいいかも。

[まとめ]


 色々ありますけども、CPUが交換できるしモバイルには十分な性能。
重さもそこそこだし、筐体も小さいので
家でメインマシンにしてもいいし、外に気軽に持ち出してもいい感じではないでしょうか。

よい点:

  • 小型ながらなかなか強力なGPUパワー、換装次第でより強力になるCPUパワー。
  • 拡張性の高さ。4画面出力も可能。
  • 十分静かなファン。
  • HDMI2.0。
惜しい点:
  • 当然だがデカいACアダプター。
  • 4コアだが、標準ではやや心もとないCPU。(i5-6400T)
  • カードのはみ出るSDスロット。書き込みが遅く、Extreme Pro 512GBでも40MB/sくらいが限界
  • メモリ等設定の追い込めないチップセット。
  • Realtek製GbE、ASMedia製USB3.1 Gen2。(実用には問題ない)

[2017/01/19 追記]

 OSを入れたところ、動作がやたらめったら不安定だったので
いろいろ切り分けした結果、メモリスロット1が動作不良では…という結論にいたりました。
メモリ自体は問題ないので、スロットかスロットのはんだ付けがおかしいのでは……という
バクチ予想をもとに、現在業者に修理依頼中です。

 戻ってきてまともに動くようになったら、そのへんの記事を書く予定。





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